いなかの主婦よりもの申す

地方在住いち主婦の気になるニュース論

テレワーク万歳


昨年より本格的にテレワークを行っており、今回のコロナのために職を失ったり収入が激減したりといった最悪の事態は避けられ、その点は本当に有難かったです。

なにぶん相当な田舎でもあり、外に希望の職を求めようとするのは諸条件で大きく妥協をしたとしてもなかなか困難な環境。

願わくばしばらくの間は穏やかにこの現状を維持したいところなのですが。



しかし全く変化がなかった訳ではありません。

発注企業の都合で人員や労働時間が削られた為にお辞めになる方がおられたり、テレワーク業務への応募が常時殺到して入れ食い状態であるという状況自体が勤務中の私たちにとっても

(いつ首を切られるか分からない)

というプレッシャーとなり、ある種の妙な緊張感が生まれていたり…。

内心はみんな穏やかではいられません。



実際コロナ騒動の前後では求人への応募数が桁違いらしく、いかにテレワークが今後の私たちの暮らしに即したものであるか、また現在どれほど多くの人がテレワークという形態を望んでいるかを思い知らされました。

私は事情がありテレワークの仕事に就きましたが、新型コロナウイルスという禍いを経た現在では基本的に誰もが「なるべく人と接しない形で仕事をしたい」という事情を抱えることになりました。

業種として困難な場合を除けばとりわけデスクワークに従事する方々は、特別なこだわりがない限り今やみなテレワークの方が望ましいと考えていると思います。


通勤にかかる時間や混雑によるストレス、洋服代や飲食代などの経済的負担。

家で仕事が出来ればそんな余計なものからは解放されるのに…と長年苦痛に感じていた方は少なくないでしょう。

しかし、「仕事は会社でみんなでするもの」という古くさい固定観念や経済事情等により叶えられる企業はほんの一握り。ほとんどの会社にとっては遠い夢であった訳です。


しかしこのコロナ騒動により状況が一変しました。

社会全体がやっと「在宅(遠隔地)勤務」という形態にやむなく関心を向け、少しずつ舵を切り始めたのです。



これは、毎日の満員電車地獄を耐え忍ぶ首都圏在住者にとってはもちろんなのですが、私はむしろ地方在住者にとって非常に良いことだと思っています。


最低賃金に慣れ切っている労働者と改革を望まない田舎の事なかれ経営者にとって、突如として首都圏レベルの報酬の仕事が身近に降って湧いたらそれは事件です。

これからは同じような仕事内容でもこんなに割のいい職に就けるようになるのだ、と分かれば労働者はみなテレワークに群がるでしょう。

そうなれば当然経営者は労働者を囲い込むべく賃上げに踏み切らざるを得ないはず。それはいずれ業種の別も乗り越えて、地方の企業全体を飲み込む大きな波になる。


競争に耐え切れず潰れてしまう中小企業も多いと思います(特に地方に多い製造業は努力と創意工夫が必要でしょう)。

ですがある程度の淘汰は致し方ないですし、地方の労働者の収入が全体的に上がっていくことの方が意義としては大きいと感じます。


物価は首都圏と変わらず寧ろ高いくらい、その上生活維持に欠かせない車の維持費や燃料費などの余分な出費が多いのにも関わらず最低賃金も当たり前なレベルの低収入。

この極悪条件で若い人を呼び込もうなんて土台ムリな話だったものが、テレワークにより首都圏勤務時と大差ない収入を得られるようになれば、そこでやっと「静かで空気もよく食べ物も美味しい快適な夢の田舎暮らし」が現実的な魅力を帯びてくる。

所詮人間は霞を食って生きられる訳じゃないですから、生活の基礎としての収入が一定割合確保出来なければ「移住」だとか「Iターン」だとかいくら口で言ったところで到底叶わない訳です。



地方と首都圏との間にある「賃金格差」という名の馬鹿でかい壁がこのテレワーク化の流れにより取り払われ、国民が何の不自由もなく居場所の選択が出来るような世の中になってくれれば、多少は生きやすくなるのではないでしょうか。


「首都東京」に異常なプライドやこだわりを持つ方々にはもしかすると歓迎出来ないことなのかも知れませんが、この狭苦しい災害大国での人口と機能の集中はそもそもリスクが甚大過ぎです。

この機に少しずつでも変化させていくべきでしょう。



と、そこら辺まで考えて近い将来へ向けての具体的な施策が出来る政治家さんは現れてくれないものでしょうか。

いらしたら是非お教え下さい、全力で応援させて頂きます。