いなかの主婦よりもの申す

地方在住いち主婦の気になるニュース論

交通安全対策に関する関係閣僚会議


何というか、こういう民衆の食いつきの良さそうなタイムリーな話題をピックアップして、いかにも「ニーズに応えます感」「早急に対処してます感」をメディアを使って堂々アピールするのがお好きですね。

今まさにというこの時期のあからさまな感じたるや、いやらしさ満載ですが。


その手の嗅覚は鋭く、スピード感もあるのでしょうが、言うは易くても重要なのはその後です。

単なるポーズではなく本腰を入れて取り組む覚悟があるのか。

ちょっと前にも「氷河期世代救済」とかやっていましたが、果たしてしっかり進んでいるのでしょうか?


言ったっきりになっている事が多い気がしますが。



高齢者の安全運転を支える取り組みの拡充…と一口に言っても難しいのは分かり切っています。

車の機能、性能がいくら良くなったとしても限度があり、遠い未来はいざ知らず、この先何十年という近い将来で増える一方の高齢者に対する実効的な対策など、強制的にふるいにかけて「怪しきは乗せない」と免許を取り上げるようなネガティブな方法しかないのではないでしょうか。


一昔前のご老人らと比較すれば若くて元気なのかも知れない。だからこそ自らの老いを容易に認めたくない気持ちも理解出来る。

しかし、決して「老いていない」訳ではないのです。高齢者の方は皆、例外なくどこかしらは老いている。


人口における高齢者の割合が増えれば増えるほど比例して事故も増える。自然なことです(事故を起こすのはもちろん高齢者だけではありませんが)。

それをそうと割り切らず、どうにか数字を抑えようとするならば、増え続ける危険因子=高齢運転者の実数を減らしていくしかないと思うのです。


しかし今の国のリーダーは決してそうは言いませんね。

いきなり高齢者の不評を買うようなことをして、莫大な数の票を失うことを避けたいのでしょう。

けれども遅かれ早かれ、現行の高齢者教習等の制度内容改正には着手することになるはず(というかせざるを得ない)ですので、グズグズとぼやかさずにさっさと正直に言えばいいのに…と思うのですが。



また、高齢運転者から免許を取り上げるということは、生活の足を奪うことになります。


鉄道やバスといった公共交通機関に不自由しない一部の都市部を除き、狭い日本の殆どを占める山間部などの田舎では、移動の手段として自家用車が必須です。

よしんば鉄道やバスが利用できる場所であったとしても、駅やバス停までが遠かったり、一日数本の便しかないといったこともザラ。

一旦免許を返納してしまえば、銀行も買い物も病院にさえも、自由には足を運べなくなってしまいます。

いわば、生活の基礎が土台から崩れてしまうということです。


そんな事態になると分かっていて、それでも敢えて自主的に免許を返納しようという覚悟が出来る人は、おそらくほんのひと握りでしょう。


だから免許の制度をいじるのであれば、その前に地方の公共交通機関や乗合いバス網の整備・拡充等がまず必須です。

これもまた簡単なことではありません。


さて…こうした各方面に山積する無理難題を果たしてどう解決して、対策として打ち出してくれるのでしょうか。

お手並み拝見です。