平成に寄せて
昭和が終わり平成となった時。
当時幼いながらも、元号が変わるという事態の重大さや独特の厳粛な雰囲気はしっかりと感じ取って、一連の儀式をテレビの前でとても静かな気持ちで見つめていたことを思い出します。
改元が、時の天皇との永遠のお別れと同時にやってくるものであったせいもあるでしょう。
今回はその時とは違い、今を生きる日本人が初めて目にする生前退位〜改元です。
でも先ほど、陛下の陛下としての国民に向けた最後のお言葉を耳にした時、昭和が終わる時に胸に去来した感傷と同じものを感じました。
やたら「平成最後」と言い募ったりする性質ではなく、どちらかというと今日までは別段何という思いもなく淡々と過ごしてきたのですが、いざ本番の古式ゆかしい儀式を目にした時の表現しにくい気持ちの昂りというのは、きっと理屈ではない、所謂自分が「やっぱり日本人である」ということなんだろうなあと思わされました。
平成が「良い時代」であったかは分かりません。
日本が戦火に見舞われなかったという意味では幸いでしたが、世界に目を向ければ紛争は多く、日本でも憲法改正案等をはじめとする不穏な気配が感じられつつあります。
異常気象も増え、大災害も多かった。
経済は衰退し人々の気力も減退、超高齢化社会に突入したところから「令和」は始まります。
どうか少しでも人々が未来に希望を持てる時代となりますように。