「悪夢のような民主党政権」
言論の自由を盾に、一国の元首が公の場で偏った私見を述べるというのはどうにも見苦しい。
当たり前に与党であった自分たちが野に下った、そりゃ当時の自民党の面々にとっては悪夢としか思えなかったでしょう。
でも民主党政権が悪夢のような時代であったかどうかを判断するのは国民であって、首相ではない。
自分たちの価値や評価を上げたいが為に、既に批判され尽くしている敵の過去をこき下ろして更なるイメージダウンを図るような真似をする…これは正しいプライドを持っている人間ならやらないことですね。
しかもやり取りの間中、顔には常に下卑た半笑いが張り着いている。
今さら彼の人のお人柄に期待なんて微塵もしていませんが、正直恥ずかしくて痛々しくて見ていられませんでした。
論点のすり替えと揚げ足取りばかりで全く噛み合わない議論、こんな生産性のない喧嘩は国会ではなくどこかの料亭ででも個人的にごゆっくりどうぞ。
しかし残念でならないのは岡田氏です。
今回の応酬、やり様によってはご自身の評価、引いては野党の評価をわずかながらでも上げることが出来たかも知れないのに。
国民がいま野党に何を望んでいるのか。
少なくとも、件の発言そのものに固執して「撤回しろ!」と感情的にまくし立てることでは決してなく(実際、撤回しますと口先だけで言わせたところで大して得るものもないでしょう)、こうした低次元な挑発がいかに無為で虚しいかを、国民に向けて冷静に説くような精神的余裕ではなかったでしょうか。
過去のトラウマで万年野党を決め込む気ならいざ知らず、再びの政権奪取を目論むような気概が少しでもあるのなら、野党の方々はもっと計算してアピールすべきです。
相手の失態をチマチマ突くことだけに注力しているような視野の狭さでは、小者感満載で永遠に自民党を超えられる気がしません。
次から次へと露呈する現政権の腐敗ぶりを国民と同じ目線で嘆き、それから前を向いて、国民の為に何を優先すべきかを考え、行動すること。
文字にすると至極当たり前の事のように見えて、誰もまるで出来ていない。
大事なのは「国民」と「未来」に目を向けること。
野党の皆さん、逆に好きなのかと思えるほど自民党しか見ていませんからね。あと過去と。
もっと色々頑張れるはずだと思います。
それにしてもバラ色だの悪夢だの、比喩表現が稚拙で古臭いのには心底辟易します。もっと色んな本を読んでセンスを磨かれてはいかがでしょうか。