いなかの主婦よりもの申す

地方在住いち主婦の気になるニュース論

コロナ自粛の難しさ


夫の従兄弟家族(東京在住)から来た「夏にそっちに遊びに行く」という連絡に対し夫がOKを出したという事後報告を受け、せめて一言相談をして欲しかったなと悶々としたのですが、

そう思うということは自分の中に「今はまだ来て欲しくない」という意識が確かにあるのだと改めて自覚した次第です。



テレビのニュースで東京のお店の店主が「東京が危険なところだと思われて観光客が減るのは困る」という趣旨のコメントをされていたり、

一定数の観客を入れてのスポーツ等のイベント再開が報じられたりする一方、

緊急事態宣言解除後にまた一気に増えたコロナ感染者の数に大臣が神経を昂らせたり、

都知事が「不要不急の用事で都外に出てくれるな」と言ってみたりと、

何もかもが浮き足立ってどうにも方向性が定まらず、個人レベルでの行動判断がなかなか難しい状況になっています。



要は国としては何かしら指示を出したくても自粛が絡めば再び補償金の話になるのでそれは避けたい、経団連から文句を言われるので経済活動も拡げていきたい…けれども明らかな第二波を引き起こすわけにもいかない。

どれをも切り捨てられないばかりに再び「個人の善意の自粛」にひたすら頼る他なくなっている訳です。


第一波の時より圧倒的に検査数が増えているが故の「正しい」数字であるので恐るるに足りぬという見解もあるようですが、しかし季節が夏になっても相変わらず人が動けば比例して感染者数も増えるという状況を考えれば、やはり最善は「極力人の移動を減らすこと」でしょう。

次の大波が来た時にはこういう対策を取るとかこんな制限を設けるとか、ある程度具体的なプランを予め示しておくこともせず、ただなし崩し的にコロナ以前の状態に戻そう戻そうとすることはあまりに短絡的ではないでしょうか。



気候の変わりつつある日本は長い雨季とも呼べる時期に突入し、自然災害とコロナの両方に怯える日々が当面続きます。

既に各地で豪雨による大きな人的被害が発生しており、今後もいつどこでまた同様の災害が起こってもおかしくない状況です。


きっかけさえあれば第一波以上の大波がすぐにでも発生しそうな現状を、本気で恐れ本気で備えようと考えている政治家は果たしてどれだけいるでしょうか。



何もすぐに緊急事態宣言下の状態に戻せという訳ではありません。

ただ「政府や自治体に指示や命令をされなければ動けないのか」という意見については、決して多くはなくとも指示や命令がなければ適切に動けないタイプの人が一定数いるということは否めないと思われます。


緊急事態宣言が解除されてもコロナウイルスが消滅するわけではなく、引き続き注意及び予防が必要なことは誰もが理解している中で、それでも解除後に国民一人一人が自己判断で動いてみた結果の感染者数の再増加です、それは結局「新しい生活習慣」などの付け焼き刃の啓蒙はさして意味がないということの現れであり、やはりある程度分かりやすい形での制限を残さなければ確かな予防効果には繋がらないのでしょう。


無策のまま国民の動向を見守っているだけではまたいざという時の対応が後手後手になることは目に見えています。


土砂崩れや河川の氾濫が発生しやすい「地方」で、避難所でのクラスター発生という最悪の事態を引き起こす可能性を最小限にする為には、やはりいま明らかに感染者の集中している「都心部」から「地方」への人の移動を制限するという対策が求められるのではないでしょうか。


更なる経済の悪化と補償を避けたい一心で処置を怠り最悪の結果に泣くよりは、タイミングというものをしっかり見極めてその時々で国民の安全を最優先に考えていく勇気を持つべきだと私は考えます。



本日の東京都内の感染者数は200を超え、日により差はあるものの増加傾向にあることは紛れもない事実です。

そろそろな時期かと思いますが、さて何か動きはあるのでしょうか。


私は一年以上会えていない高齢独居の父の顔を見るべく初秋頃に地元への帰省を検討中ですが、やはりコロナの状況如何によっては難しくなる為まだ父には予定を伝えられずにいます。


何十年も生きていると色々起こりますが、親の顔ひとつ見るのもままならない事態というのは中々にしんどいものがありますね。

同じように故郷を離れている方々と共に、一日でも早く安心して帰省出来る日が来ることを祈りつつ努力を続けていきたいと思います。